作品は遺書です。
僕たちが存在していたことを伝達するもの。
ここは墓場です。
この墓場には、作品という名の遺書が並びます。
その遺書らが一つ一つの"青い照明として明滅"しながら、
"あらゆる透明な幽霊の複合体"として、灯り続け、
きっと失われていくのでしょう。
その一時的な機能に僕らは、
一縷の望みを託すのです。
"わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)"
引用:『春と修羅』宮沢賢治